なぜ我々は哲学を学ばなければいけないのか。そう思う人も多いでしょう。特に「創造」と「哲学」にどのような因果関係があるのか、と。哲学は難しい印象が大きいと思います。哲学なんていいから仕事でいい成績を取る方法、良い文章を書く方法、良い絵を書く方法、いい対人関係を築く方法、などを学んだほうが効率的であると思う人も多いでしょう。
私も以上のような疑問をもっていました。しかし、実際に「創造」と「哲学」は不可欠の関係にあります。あらゆる学問、あらゆる創造の基礎は「哲学」にあるからであり、人は無意識に「哲学」の影響を受けて「創造」を行っています。数学、政治、法律、経済、文学、真理、言語、文化人類学、生物学などのおよそあらゆる学問は哲学に基礎をおいているのです。
例えば「小説」と「哲学」はどのような関係にあるのでしょうか。小説は人間を鮮やかに描写し、人間関係を上手く描き、社会と人間の関係を描くものです。社会とは何なのか、人間とは何なのか、社会はどうあるべきで、人間はどうあるべきなのか。生きているということはどういうことなのか、なぜ人は死ぬのか、なぜ人は笑うのか、これも哲学の領域で考えるものです。哲学を学んでいないと、深い考えが浮かんできません。最悪の場合、人がこう言っていたから、あるいは、こう思っていそうだからという安直な考えに帰結してしまいます。生きていることはどういうことかを人と異なる観点で深く考えることができれば、考えた分量だけ深く創造の領域に潜ることができます。絵と創造も言うまでもなく、深い関係にあります。
以上のように、哲学は自然や世界、あるいは社会の大元のところある原理を追求するものであるので、哲学を学ぶことはあらゆる学問や芸術の原理を追求することにもなるのです。
次回はアリストテレスについて学んでいきたいと思います。
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